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私が所属する車両実験グループは約50名の部隊で、カーメーカーごとに分担が分かれています。担当する自動車メーカーの新車種をそれぞれの開発期間に合わせてチューニングして、EBSの性能を固めていく仕事です。
クルマの乗り味、走行フィールは、サスペンション・タイヤによって大きく変わります。そのうちのタイヤを制御しているので、そのクルマの走行性能のある一面を決めるのが私の仕事とも言えます。新しい車種開発では、これまでの経験からまず自分自身のイメージでチューニングします。それからカーメーカー側の要望を入れていきながらセッティングしていきます。 |
車種によってチューニングの仕方はさまざまです。メーカーの意向を汲み取り、それぞれの車種の性格に合わせてチューニングをおこないます。その際、メーカーの方へ自分の思いをぶつけることもあります。
毎日の半分はステアリングを握ってコースを走らせています。私の大学時代は自動車部に所属するほど大のクルマ好き。走るのが大好きという人間にはたまらない仕事ですね。 |
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コースというと、カーレース場をイメージされるかもしれませんが、旭のテストコースはもともと飛行場で、広い舗装された空間です。コースの長辺は1000メートル以上あり、車種によっては時速200キロくらいは軽く出せます。
EBS性能のテスト(つまり安全装置のテスト)をするので、実車走行では限界挙動ギリギリの運転状況を作り出します。アクセルを目一杯踏み込んで急発進させたり、あり得ないほどハンドルを切って急旋回させたり、ブレーキを思いっきり踏み込んで急停止させます。どんな過酷な状況でもクルマがちゃんと安全であるかどうかをテストするのです。
またEBS性能のテスト以外にEBSユニット自体の安全装置のテストをします。EBSは車輪速センサ、ヨーレートセンサ等の各種センサからの情報を元に動作するのですが、それらのセンサからの情報が断たれたときに安全であるかどうかも重要です。安全装置自体が機能しないときの安全も確認するのです。
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テストはおもしろいのですが、人の安全に関わる重要な機能なのでそのデータ解析には絶対に気は抜けません。 |
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趣味はカーレースです。旭では通勤用にスターレットに乗っていますが、レースではMR2。いつも行くサーキットは富士スピードウェイで、MR2はその近くのガレージに預けてあります。
私は富士チャンピオンレースという年5回開催されるレースに出場しているのですが、2007年3月の第一戦にはみごとクラス優勝ができました。もっともその後は車両の調子が悪く低迷しています。
富士スピードウェイには練習のために月に1、2回行きます。旭からスピードウェイまではけっこう距離があり、朝5時に出発、帰りは夜の9時ごろになってしまいます。ガソリン代、高速代、サーキット走行料がかかり、何よりもタイヤが高いですよねえ。1、2回走るとタイヤを4本とも取り替えなければなりませんが、これが十数万円。お金のかかる趣味ですね。
カーレースでの優勝以外の夢と言えば、海外に行くことです。コンティネンタルの社員として可能性があるのは、ドイツ本社、スウェーデンの冬期テスト、それからニュージーランドでの冬期テスト(日本は夏)です。たぶん1年以内に海外での走行テストをする機会がありそうなので、いまから楽しみです。 |
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