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ボディ&セキュリティ(社内ではB&Sと呼ぶ)では多種多様な技術と製品を扱っています。離れたところから車の状態を知るbi-direction key。イモビライザーやRKE(Remote Keyless Entry)・PASE(Passive Access Start Entry)など、ドアの解錠・施錠や、エンジンスタートをより安全で便利にする高性能システム。Body Control Unitは車に搭載されている多種多様な電装系の機能をコントロール。TPMS(Tire Pressure Monitoring System)はタイヤの空気圧や温度という情報。その他にもシートやライトのコントロールユニットも扱っています。
いろんな製品がありますが、わたしはPASEシステムのテクニックプロジェクトリーダー(TPL)とシステムエンジニア(SE)という2つの責任者を兼任しています。
テクニックプロジェクトリーダーとしては、要求仕様を満たすために、開発チームの進捗管理、設計と製品の検証、すべての技術資料の管理、仕様変更に対する管理、トータルのリスクマネジメントとプロジェクトのすべてに責任を持ちます。
システムエンジニアとしては、システム全体の技術的な問題についての責任を負っています。PASEはたくさんのコンポーネントからで構成されるシステムなので、コンポーネント間の通信がとても問題になってきます。 |
そこでLF/RFのプロトコルを定義し、お客さま(車メーカー)に対して、アンテナの車内配置場所を提案し、お客さまの開発プロジェクト全体に対するLFアプリケーションの指導を行うのです。
ちなみにLF、RFは無線で使われる用語で、LFはLow Frequency(低周波)、RFはRadio Frequency(高周波) を意味します。無線技術は、現代の車の基幹技術になっているのです。 |
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PASEはとても大きいシステムです。要素技術は異なり、コンポーネント開発は世界中の異なる国と場所で行われています。そのためほぼ毎日、お客さま、そしてわたしとは生活時間がまったく違う各国の開発チームと連絡を取り合わなくてはなりません。
一日の仕事の流れを書き出してみましょう。午前中はメールチェック、上司との社内会議、相手先(お客さま)技術者との電話会議、中国チームとの電話会議。
午後からはヨーロッパチームとの電話会議、夕方からはアメリカ・ブラジル。メキシコのチームとの電話会議。もちろんお客さまを訪問して仕様を詰めることもあります。
日本では日本の時間で、朝を迎え、昼になり、夕方になって日が暮れますが、地球全体ではこちらが昼に朝の地域、夜の地域があります。このようにグローバルで働くと地球が丸いと言うことを実感します。この時差の壁はつらいものですが、地球の回っていく時間の中で仕事をすることが次第に面白くなっていきます。
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わたしは中国でハルピン大学に進み、修士課程修了後に日本に留学し、工学博士号を取得しました。日中を比較すると、中国人は何事もハッキリと主張し、日本人はあいまいと言われます。わたしもその通りだと思います。
しかし日本で生活していくうちに、日本的コミュニケーションの良さに気づきました。それはチームワークを大事にするということです。わたし自身は、自分を強く主張する中国的な会話よりも、関係を重んじる日本的コミュニケーションに影響されています。
国や言語によって自己主張の強弱はあるのでしょうが、人間の本質はそれほど変わるものではないと思います。コンティネンタルで働いていると、世界中に仲間ができます。毎日の電話会議によって親しみが増し、信頼感が確立していきます。そういう人間関係は、国や言語の壁とは無縁で人類共通のものです。
わたしの名前は漢字で書くと「王 杜」。欧文では「Wang Du」と書きます。この名前でわたしはかなり親しみやすいイメージを持たれるようです。というのはドイツ語で「Du」は「あなた」という意味なのです。大人が使うドイツ語の「あなた」は「Sie(ジー)」ですが、「Du」は主として子どもが使う「あなた」。かわいい響きがある「あなた」なのです。だからすぐに覚えてもらえます。
各国の開発拠点や生産拠点に同僚ができ、グローバルの連携をとりながら働くことは大変なこともありますが、新しい価値に出会える楽しさ、喜びが大きいです。 |
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