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EBS (Electronic Break System)とは、メカと電子制御のブレーキシステムで、ドライバーの命を預かる重要保安部品です。EBSの主要製品としてABSとESCの2つがあります。
その内部はじつに繊細で、100点にもおよぶ精密部品とコンピューターから構成されています。そのためその製造工程は70〜80プロセスからなる、非常に複雑な生産ラインを必要とします。うちのラインは品質保持の為に、自動化率は95%を超えており、その複雑にして緻密な生産設備の立ち上げが私の仕事になります。
EBSは自動車の中心的な安全装置ですが、実はまったく同じEBSではなく、自動車メーカーごと、車種ごとに要求仕様が違うEBS装置が使われているのです。 |
ではそのような多種類のEBSを生産するラインを、どのようにして作り上げていくのと言うと、まず製造する製品の仕様・要求品質を理解し、それを組み立てるための工順および設備詳細を、フランクフルト本社の生産技術と検討し、設備を設計します。この時に、重要保安工程や過去にあった不具合の対策を盛り込み、より完成度の高いラインにしていきます。もちろんコストも重要な要素のひとつになるためどうすればより安く、より高品質な製品を製造できるのかを常に念頭に置いて任務にあたっています。 |
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生産立ち上げのプロジェクトの期間はだいたい14カ月です。スタートしてから最初の1カ月は「デザインレビュー」です。ドイツから送られてきた仕様書を読み、どういう新技術が開発され、新しい生産ラインに盛り込まれているかを理解する期間です。
その後の7カ月間は「設備組み立て」。工場の関係部署とのミーティングを開き、工場からのニーズを吸い上げ、それを反映させるためにドイツ側と盛んにやりとりを繰り返します。この時期に生産設備の8〜9割は完成します。それから「アクセプタンス」という設備の受入確認のために工場からエンジニアをドイツに派遣します。ドイツで生産ラインを組み立てて、問題なく動くことを確認するのです。これが2カ月間。初期性能を確認できたら、いったんラインをばらして船積みして日本に輸送します。
それから1カ月かけて復元組み立て。そしてラインを動かし始めますが、最初の3カ月間は「初期流動期」と言って、安定しないラインの不具合を取り除いていく期間です。プログラムでもデバッグという作業がありますが、それに似ています。
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これが終わるとようやく私の任務は終了。のはずですが、それがそうはいきません。肩の荷を降ろす間もなく次のプロジェクトへと移ります。1プロジェクト14カ月かかるのに、なぜか最近は1年に1つのプロジェクトのペースになっていてオーバーラップしているのです。技術の進歩が速くなっていることを実感します。 |
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浜北工場に来て8年ちょっと。今までにドイツの出張は7〜8回いきましたね。ベルギーにも何度か出張しています。出張期間は1カ月以上で3カ月近くになることもあります。海外出張はベテランばかりが行くというわけではありません。今年の新卒社員は5月に正式配属され、6月にドイツ出張に行った者もいますし。それもいきなり3カ月間です!
でも現地の社員と仲良くなって、とても楽しんで帰ってきました。CACで英語は必須とも言えるけれど、やる気があれば何とかなるとも言えますね。
浜北工場の魅力もちょっとだけ教えます。豊かな自然。これに尽きます!海に近く、浜名湖もあり、山もあります。だからジェットスキーをする人もいれば、天竜川で釣りを楽しむ人もいます。天竜川までは工場から数十メートルの距離にありますしね。ジョギングしているひとも多いようです。バイク好きが集まってバイクツーリングも盛んに言っているようですね。
住宅にも恵まれていて、私の社宅は、3DKで工場からなんと約500メートルの距離です。 |
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